RI会長からのメッセージ

イアン H.S.ライズリー

2017-18年度会長

2018年6月

この60年、テーマを選ぶことは次期会長にとっての栄誉であり、時として課題となってきました。過去のテーマを振り返ることは、歴代の会長が抱いた考えやビジョンを知る小さな窓を開くようなもの。窓を開けば、彼らが見たロータリー、彼らが考えた世界におけるロータリーの場所、そして、彼らが望んだロータリーの達成事項が見えてきます。

テーマを選ぶ順番が巡ってきたとき、私の心に躊躇はなく、「ロータリー:変化をもたらす」が2017-18年度テーマになるだろうと即座に思いました。私にとってこの短いフレーズは、単に私たちが行っていることではなく、切望することです。変化をもたらすことを欲し、支援し、インパクトを生み、世界をほんの少しよくしていこうと努めているのです。

この2年間、そのような努力の数々を目にしてきました。昨年、山火事で甚大な被害が出たカリフォルニアでは、すべてを失った人たちに「変化をもたらす」ロータリアンに会いました。グアテマラでは、簡素なストーブを提供したことで、それまで焚火で調理していた女性たちの生活に大きな変化が生じたことを学びました。これで彼女たちは、煙に巻かれながら調理したり、薪拾いに多くの時間をかけたりすることなく、ストーブを利用して小さな事業を始めることもできました。イスラエルでは、ロータリーが支援している高気圧酸素治療センターを訪れ、脳損傷や脳梗塞の患者が健康で生産的な生活を送れるよう治療を受ける現場を見ました。その他にも、ロータリアンは世界各地の地域社会で、難民の新たな生活を支援し、子どもたちへの予防接種を行い、安全な血液供給を支え、若者への教育・生活支援を通じて変化をもたらしています。

また私は、世界中でロータリアンの植樹活動に参加できました。こうして本誌が発行される間にも、植えられた樹木の数は上昇しているでしょう。とはいえ、喜びとともに私に言えることは、ロータリアン一人につき1本に値する、120万本以上の植樹は既に完了しているということです。さらに、ロータリアンは世界中で、ポリオ撲滅のためのアドボカシー、ファンドレイジング、支援活動を続けています。野生型ポリオウイルスによる発症は昨年22件に留まり、わずか2カ国に抑えることができました。この数は間もなくゼロになり、撲滅に向けた新たな局面を迎えることになると確信しています。その局面とは、全世界ポリオフリー認定に向けた、最後の発症から3年を経過するまでのカウントダウンです。

これで私とジュリエットは、訪問した多くの場所、新たな友人、この目で見た奉仕など、温かい思い出を胸にオーストラリアへと帰ることとなります。「ロータリー:変化をもたらす」のテーマを通じて、皆さまが実現された偉大な奉仕の数々に、心より感謝申し上げます。


2018年5月

ロータリーは、規模が大きく非常に複雑な組織です。この記事が発行される現時点において、世界のほぼすべての国に35,633のクラブがあり、120万人の会員がいます。ロータリーのプログラムには、何十万という人が参加しています。ローターアクト、インターアクト、青少年交換、RYLA、ロータリー地域社会共同隊、ロータリー平和センターなどのプログラムのほか、国、地区、地域レベルのプログラムやプロジェクト、財団が支援するプロジェクトもあります。血液・食糧バンク、学校衛生からポリオ撲滅まで、毎年、ロータリーの名を冠する数え切れないほどのプロジェクトが遂行されています。初のロータリークラブが創設されてから113年が経過した今、ロータリーの奉仕活動は世界中に広がっています。

日々の奉仕活動は、地域、国、クラブによって大きく異なり、各クラブに独自の歴史、優先項目、アイデンティティがあります。また、ロータリアンの個性や一人ひとりの奉仕に対する目的意識も同じではありません。地域ごとの独自の方法が尊重されるロータリーにおいて、会員やクラブがそれぞれに最も適した方法で奉仕することは問題ではありません。

ただし、多様性は私たちの強みであるものの、組織としてのアイデンティティが課題となります。ロータリーという名称を知っている人は多くても、クラブの活動内容、その構成、存在理由を理解している人はごく一部です。ロータリー会員であっても、ロータリーという組織、全体の目標、プログラムの内容や範囲を十分に理解していない人が大勢います。この課題は、効果的な奉仕を実施し、会員増強に取り組み、パートナーシップを強化していく上で、重要な意味をもっています。

組織全体でこの問題を解決するため、ロータリーのビジュアルとブランドを強化するツールを数年前に導入しました。今日、私たちはこれらのツールを使用しながら、「世界を変える行動人」という新しいグローバル広告キャンペーンを実施しています。このキャンペーンは、補助金を利用して各地で変化をもたらしているロータリーの活動を紹介するものです。昨年6月 、国際ロータリー理事会は、私たちの活動の多様性を結ぶ一つの目的と、ロータリーのアイデンティティを反映した新しいビジョン声明を採用しました。

「私たちロータリアンは、世界で、地域社会で、そして自分自身の中で、持続可能な良い変化を生むために、人びとが手を取り合って行動する世界を目指しています。」

どこに住んでいても、何語を話していても、どんな活動をしていようとも、私たちのビジョンは同じです。世界をより良い場所にできると信じ、そのために私たちは活動しています。ロータリーは、世界をより良くする機会を与えてくれます。「ロータリー:変化をもたらす」のテーマを通じて、一つになって行動を起こしましょう。


2018年4月

オレゴン州ポートランドで開催された1990年ロータリー国際大会で、当時のパウロ・コスタ会長エレクトは、「今こそ、ロータリーは声をあげ、リーダーシップを発揮し、すべてのロータリアンに自然資源を守るための名誉ある聖戦へ参加するよう促すべきです」とロータリアンに語りかけました。「われらの天体 地球の保全」というロータリーの取り組みを立ち上げることを宣言し、木を植え、空気や水質をきれいに保ち、未来の世代のために地球を守るため、環境問題を奉仕活動に組み込むようロータリアンに呼びかけました。

コスタ会長エレクトは、当時のロータリー会員全員に、ひとり一本、全部で110万本の木を植えようと呼びかけました。ロータリアンはいつも通り、会長エレクトの呼びかけを上回る結果を出しました。そのロータリー年度末までに3500万本近い数の木を植えたのです。このとき植えられた木の多くは、今日でも二酸化炭素を吸収し、酸素を生み出し、大気を冷やし、土壌の質を良くし、鳥や動物、昆虫の生息地と食糧を提供し、ほかにもさまざまな形で環境に貢献し続けていることでしょう。一方で、残念ながらロータリー全体としては環境問題への取り組みを前進させてきませんでした。

そのため、今年度が始まったとき、会員一人ひとりが少なくとも一本は植樹するようにと、パウロ・コスタさんの例にならって呼び掛けました。私の狙いは、120万本(またはそれ以上)の木がもたらしてくれる数多くの利点を超えたところにあります。植樹をすることで、ロータリーがふたたび取り組むべき地球の現状という問題に、ロータリアンが関心を新たにしてくれることを願っているのです。

環境問題は重点分野のすべてに深く関係しており、ロータリーが無視するわけにはいかない問題です。公害は世界中の人びとの健康を害しています。都市部の住民の80%以上が安全ではない空気を吸っており、低中所得国では98%にものぼります。この状況が続けば、2050年までに海洋中には魚よりも大量のプラスチックが含まれることになります。また、気温の上昇を示す記録は数多くあります。1880年から2015年で、世界の年平均気温は摂氏1.1度上昇しました。この変化が人間によるものであるかどうか、また、この傾向がそのまま続けばどれほど莫大な経済的影響、生活への影響が生じるかということは、科学者が論じるまでもありません。行動を起こす必要はこれまでになく高まっています。そして、真の変化をもたらすロータリーの力も。

潘基文前国連事務総長が言うように、「地球の代わりになる代替惑星はないのだから、代替策もありえない」のです。この惑星を守るのは私たちみんなの仕事、変化をもたらすのはロータリアンみんなの仕事です。


2018年3月

ローターアクトが1968年に創設されてから、今月で50年を迎えます。今回はローターアクト特集として、世界中で変化をもたらすローターアクターの活躍に注目してみましょう。

ローターアクト誕生から半世紀、世界は大きく変化しましたが、テクノロジーと情報社会の台頭、教育の普及、インターネットの計り知れない衝撃にもっとも影響を受けているのは若い世代です。ローターアクトの創設時には、10代20代の起業家やCEOというのは想像もつかないものでした。今日、若い世代にはかつてない実行力が備わっています。ロータリーはこれまでになく、若い世代のアイデアや熱意を必要としているのです。

ロータリーは何年もの間、青少年と若い社会人のプログラムを、価値が高く実りの多いプログラムとしてではなく、単にロータリー入会へとつながる前段階として捉え、ローターアクトの価値を見誤っていました。ローターアクターは、ロータリーの奉仕活動における真のパートナーです。

今日、ロータリークラブが存在する世界の国々で、1万を超えるローターアクトクラブがあり、推定25万人のローターアクターが活動しています。彼(女)らのもちうるリソースを鑑みると、ローターアクトが生み出す奉仕の影響力は目を見張るものがあります。平均的なロータリークラブと比べて自由に使える資金ははるかに少なくとも、驚くべき活動成果をあげています。エネルギーとビジョンをもって、ロータリーファミリーと地域社会に貢献しており、高い評価に値するものです。

しかし、ローターアクトを提唱しているロータリークラブは27%で、この割合は長年あまり変動していません。また、ロータリークラブに入会するローターアクターの数はあまりにも少ないものです。ローターアクト50周年を迎えた今、私は、ローターアクトクラブの提唱と既存クラブとの関係強化を、すべてのロータリークラブに呼びかけます。

定期的な合同会合を計画し、共同プロジェクトを企画しましょう。手助けできることはないか尋ねるだけでなく、どうすれば力を合わせて活動できるか検討するために、ローターアクターに語りかけましょう。ローターアクトとその会員のことを知りましょう。そして、入会を待ち望んでいるロータリークラブがあるということを、すべてのローターアクターに確実に伝えましょう。

ローターアクトはこの半世紀、ロータリアンがロータリーに見出すものと同じ、つまり地域社会との絆と奉仕の意味を見つける術を青少年に教えてきました。ローターアクターは、今日のロータリーを築く一端を担いつつ、将来のロータリーへの架け橋となります。


2018年2月

4名の会員からなるロータリーの最初のクラブが初例会を開催したのは、113年前の今月です。議事録は作成されませんでしたが、奉仕について話し合われたとは思えません。地域社会のニーズにロータリークラブが力を入れるようになったのは、結成から数年経ってからのことでした。

会場はホテルでもレストランでもなく、会員の職場でした。知られているかぎり、議題も、告知も、委員会報告書も、卓話も、名札もありませんでした。今日の建設的なロータリー例会の基準では、この会合は不合格もいいところでしょう。しかし言うまでもなく、この会合は史上もっとも建設的なロータリー会合となりました。

今日でも、1905年当時と同様に、会員の多くがポール・ハリスの求めた親睦、人脈、くつろげる居場所を求めてロータリーに参加しています。しかし、ロータリー揺籃期の創立メンバーが受け取ったものとは比較にならないほど多くのものを、ロータリーは今日私たちに与えてくれます。今や120万人以上の会員を擁するロータリーは、仲間のいる少人数のグループだけでなく、多様なクラブや、地域社会、そして世界中において居場所を与えてくれます。何年も昔、あの2月の晩にポール・ハリスが夢見ることは決してできなかったような形で、ロータリーは今日、私たちを結んでいます。世界中どこに行っても自分のクラブのように迎え入れてくれるロータリークラブがあるだけでなく、手を差し伸べる世界中のとの場所でもロータリークラブがあり、変化をもたらすことができるのです。

初例会以降の113年間で、ロータリーは創立メンバーには思いもよらなかったほど大規模で多様な団体になりました。白人男性のみが入会できた団体から、ありとあらゆる背景を持つ女性や男性を歓迎する団体へと変わりました。「超我の奉仕」という標語に示されるように、奉仕を目的とする団体となったのです。今では世界を変える力を持つだけでなく、ポリオ撲滅活動により、現にその力を発揮しています。

ロータリーの未来に何が待ち受けているのか、知る人は誰もいません。ポール・ハリスとその友人たちが築き上げた強固な土台をもとにさらなる発展を遂げていくのは、変化をもたらすロータリーを通じて奉仕と友愛のきずなを結び、深めていくのは、私たち一人ひとりにかかっているのです。


2018年1月

多様性はロータリーの強みです。これは、職業分類が提案されたロータリー創成期にさかのぼります。多彩な経歴や能力をもつ会員が集まるクラブなら、ほかと比べてより優れた奉仕活動が行えるだろうという、とてもシンプルな話です。

以降、ロータリーにおける多様性の概念は、より広義の意味づけがされるようになりました。地域社会を真に反映するクラブのほうが、より一層効果的に地域社会に奉仕することができるということが分かってきたのです。今後も、多様性がロータリーにとって重要であり続けることは一目瞭然です。今日優れた奉仕活動を行うためだけではなく、将来にわたって強力な団体であるために、多様性は重要です。

多様性に関する喫緊の課題として、会員の年齢層の問題が挙げられます。どのようなロータリーイベントでも、参加者の年齢層を見るとロータリーには持続可能な将来がなさそうだということが一目で分かります。会員数の記録は更新され、常に新会員を獲得してはいますが、今後何十年もロータリー活動を続けていけるような若い会員は、そのうちのごく一握りでしかないのです。先々、強力で有能なロータリーのリーダーシップチームを確保するためには、今日、若く有能な会員を獲得しなければなりません。

また、ロータリーの多様性を論じるのであれば、ジェンダーの問題も避けては通れません。わずか30年前に女性がロータリーに入会できなかったというのは、今では想像しがたいことです。それ以降ずいぶん改善されてきたとはいえ、女性の入会を禁止するという誤った規定の負の遺産は消えていません。あまりに多くの人が男性しかロータリーに入れないといまだに思っており、このことは公共イメージにも会員増強にも悪影響を及ぼしています。今日、女性会員はわずか21%強です。これは大きな前進ではありますが、男性会員と同数の女性会員という、世界の男女バランスを反映した、各クラブが目標とするべき到達点にはまだほど遠いと言えます。

入会の動機は人によって違うかもしれませんが、ロータリアンでありつづけるのは、ロータリー会員であることに価値を見出し、ロータリーの奉仕活動が世界にとって価値があると信じているからだと思います。世界のあらゆる局面における多様性を反映したクラブを築きあげることで、変化をもたらすロータリーの永劫に続く価値が築かれるのです。


2017年12月

「戦争の惨害から将来の世代を救い......寛容を実行し、且つ、善良な隣人として互に平和に生活」するために、国際連合が72年前に設立されました。こういった崇高な理念や、理念を実現させるための何代にもわたる尽力にもかかわらず、「戦争の惨害」はいまだ消え去っていません。昨年は、世界各地の49の武装紛争で10万2000人を超える人が命を落としました。中には50年以上続いている紛争もあります。テロ行為、偏見、過激主義、難民問題、それに環境破壊は、今やグローバルな課題となっています。

こうして問題を数え上げると、1945年にそのような野心と楽観主義のもとに設定された目標からは、かつてなく遠ざかっているように思えます。それでも、より平和な未来のために、政府を通じてだけではなく、政府と共に、力を合わせて動こうとする人びとがいる限り、希望がついえることはありません。ロータリーは今日、ロータリー平和フェローなどの平和に重点を置いたプログラムや、奉仕の全分野など、平和に向けた真の、永続する影響をもたらす上でこれまで以上に恵まれた環境にあります。水、衛生、健康、教育、経済発展は、紛争につながる、あるいは紛争の回避につながる、複雑に絡み合った相互作用の一部なのです。こういったすべての分野でロータリーの奉仕活動を最大限に行い、平和への影響を最大とするには、この相互作用を理解した上で奉仕活動を計画することが肝要です。

このため、2月から6月にかけて、カナダ、レバノン、英国、オーストラリア、イタリア、米国で、会長主催平和会議を開催します。重点は平和ではなく、「平和構築」にあります。クラブと地区の奉仕活動を通じて平和構築に貢献する方法を共有します。全6回の1日会議のうち5回は、平和とその他の分野との関連性に焦点を当てます。初回のバンクーバー会議では、平和と、ロータリーにとって関心の高いもうひとつの分野である環境持続性との関連性を模索します。会長主催平和会議のページ(my.rotary.org/ja/news-media/office-president/presidential-conferences)で日程の確認と参加登録を行ってください。

目標はシンプルで、奉仕活動を通じて平和を促進する新しい方法を見つけ、専門家から学び、平和構築の力を強化すること。ロータリーが「変化をもたらす」ことで世界平和へとまた一歩近づくための一助となることが、この会議に込めた私の願いでもあり信念でもあります。


2017年11月

ロータリー財団は、クラブにとっては多くの点で見えない存在です。財団は、クラブや地区が毎週行っている活動の大半に直接かかわってはいるわけではありません。しかし、クラブにとって財団の存在が見えないのは、建物の中にいるときにその建物の基盤が見えないのと同じことです。見えないからと言って支えてくれていないわけではないのです。

ロータリーがポリオ撲滅に挑戦することを可能にした財団は、多くの点において、ロータリーの奉仕活動が拠って立つ土台です。26ドル50セントの寄付により設立されて以来100年間、財団はロータリーの奉仕活動を支え、強化し、ロータリーの野望を実現可能にしてきました。今日ロータリーがこのような組織でいられるのも、財団あればこそです。財団のおかげで、野心を持ち、その実現のために努力すれば不可能なことはほとんどない、とロータリアンは確信できるのです。

ロータリーが築いたこのモデルは、ほかの団体には及びもつかない非常に効果的なものです。ロータリーは完全に地元社会に根差していながら、同時に、完全にグローバルです。ほぼどの国でも、全世界35,000を超えるクラブで、地元社会における人材、人脈、知識を有しています。ロータリーは透明性、効力、優れたビジネス慣行に定評を持ち、ロータリアンはボランティアであるだけでなく、高い技能を持った職業人でもあるため、他団体の追随を許さない効率性を実現しています。

平たく言えば、ロータリー財団に1ドル寄付すれば、ほかの慈善団体に寄付するよりもよほど大きな成果が得られるのです。「世界でよいこと」をするをするために1ドル出すのであれば、そのお金を預けるべきはロータリー財団をおいてほかにありません。これは何も身びいきでそう言っているのではなく、客観的に証明された事実であり、第三者団体による評価でも裏づけされています。

財団100周年度には寄付目標の3億ドルを上回りました。このことが何を意味するのか、思いをはせてみましょう。世界のどこか、おそらく行ったこともないようなところで、一生出会うこともない人びとが、皆さまのおかげでより良い暮らしを手に入れたのです。私たちには変化をもたらすことができる、そうする義務があります。そして、力のあたうかぎり見事に、効率的に協力して物事にあたることこそ、一時しのぎではない、真の変化をもたらす唯一の方法なのだという信念。そういった信念に従ってよいことができるのも、結局のところロータリー財団のおかげなのです。


2017年10月

何年か前のことですが、私の娘が働いていたオーストラリア、メルボルンの博物館では「鉄の肺」が展示されていました。私と同年代で1950年代のポリオ大流行を覚えていらっしゃる方ならばたいていご存知だと思いますが、鉄の肺は、予防接種のおかげでどれほどポリオ対策が進歩したかを如実に物語っています。かつては貴重な医療機器だったのが、今では博物館の展示物なのですから。

世界各国の大半において、ポリオの物語はとてもシンプルなものです。長年ポリオの脅威に脅かされ続けた後、ワクチンが開発され、この病気は克服されました。しかし、世界の一部においては事情が違いました。多くの国でワクチンが入手できず、大規模な予防接種は費用がかかりすぎるか、単純に子どもたちを見つけられない。よそではポリオが博物館にしまわれた一方で、こういった国々ではポリオは猛威を振るい続けていました。しかし、そこでロータリーが、「どこに暮らしていても、どういう環境に置かれていても、すべての子どもたちにポリオのない人生を送る権利がある」と声をあげたのです。

ポリオプラスが発足してから、ロータリー、各国政府、世界ポリオ撲滅推進活動(GPEI)の尽力により、ポリオの発症件数は年間35万件だったのが、2017年には数件にまで低減しました。しかし発症件数ゼロを達成し、維持しなくては、ポリオ撲滅は実現できません。そのためには、皆さま一人ひとりの支援が必要です。

10月24日は世界ポリオデーです。これまで成し遂げたことを祝い、ポリオ撲滅を完遂するために人びとの意識を高め募金を行う機会です。何らかの形で世界ポリオデーに参加することを、私はすべてのロータリークラブに呼びかけます。endpolio.orgでアイデアを探して、イベントを登録しましょう。サイレントオークション、VRビューイング、チャリティウォーク、「Purple Pinkie Day」(「小指をパープルに染めよう」デー)など、どのような活動でも大きな違いを生み出すことができます。

今年の世界ポリオデーでは、シアトルにあるビル&メリンダ・ゲイツ財団本部でライブストリーミングが行われ、午後2時30分(太平洋標準時)からendpolio.orgで中継されます。皆さまの多くがご存知のように、ロータリーは今後3年間で年5000万ドルの寄付を約束しました。この2倍の額をゲイツ財団が上乗せし、ロータリーが世界ポリオデーなど年間の募金活動で調達する総額を事実上3倍にしてくれます。ポリオ撲滅にご協力ください。そして、世界ポリオデーではみんなで変化をもたらしましょう。


2017年9月

ロータリー国際大会の最大の魅力は、参加者の多様性にあります。分科会でも、友愛の家でも、食事の席でも、ありとあらゆる民族衣装をまとった世界各地からの参加者が、それこそ世界中の言語で話している光景に出会います。これほど異なる人びとが、一緒にいても苦にならない、これが国際大会の楽しさであるのはもちろんのこと、この多様性こそ、ロータリーの偉大さの大きな秘密でもあります。

この心温まる地域社会の精神はロータリーの核にあります。同時に、2018年ロータリー国際大会の開催地であるトロントを定義づけるものでもあります。トロントは私の大好きな街のひとつです。280万人の住民の半分は他国出身者で、140か国語以上の言語を話し、どれだけ忙しくても人助けはするという土地柄です。トロントはきれいで安全で人に温かいだけでなく、オンタリオ湖辺やおいしいレストラン、他では見られないような博物館、それに探索するのも楽しい見どころがたくさんあります。

2018年国際大会は、これまでで最高の大会になる兆しをすでに見せています。大会委員会とホスト組織委員会は、インスピレーションを高めるような講演や最高のエンターテイメント、ためになる分科会、そして街中でのさまざまな活動を計画しています。トロントには誰もが何かしら楽しめるものがあります。ジュリエットと私は家族を引き連れてトロントに行く予定ですが、皆さまにもぜひご家族での旅行をお薦めします。早いうちに旅行を計画すれば割引が使えます。割引が適用される早期登録は12月15日までです(オンライン登録ならさらにお得です)。

トロントはロータリアンを魅了する見どころだらけだとはいえ、もちろん最大の魅力は国際大会そのものです。ロータリー世界がどんなことをしているのか知り、これからの1年に向けてインスピレーションを得て、充電するための、年に1度の機会です。詳しくは、riconvention.org/jaをご覧ください。2018年トロント国際大会では、インスピレーションをいたるところで発見できます。


2017年8月

「ロータリーって何?」と聞かれたら、あなたは何と答えますか。単純に思える問いでも、どう答えていいか戸惑ってしまうことはないですか。いつも明確に話せる人でも、ロータリーを成す要素を一言で言い表すことは難しいのではないでしょうか。

これまでロータリーは、その活動を理解してもらうのに困難を経験してきました。何をするかだけでなく、どうやって世界に貢献しているかを人びとに理解してもらうことに、いつも苦労してきました。

私は会計士なので、数字が大好きです。数字はどの言語にも通じます。そして言葉よりも効果的に複雑な情報を提供することができます。そこで、本ロータリー年度には、各クラブに2つの数字(人道的奉仕のために費やした現金・現物寄贈の金額、ロータリーの名のもとに行った活動時間数)をロータリー本部へ提出していただきたいのです。

この数字を有益な形で使えるように、正確な数字を提出してください。ですから、クラブが奉仕に費やすお金と時間を今から正確に記録してください。

クラブがこの情報を年度末に提供できる一番簡単な方法は、ロータリークラブ・セントラルからデータを毎月入力することです。このツールは、今までよりずっと使いやすくなりました。もし、インターネットへのアクセスが限られているなどの理由で、クラブを通じてロータリークラブ・セントラルにデータを入力できない場合は、地区ガバナーに連絡し、他の手段で提出できるようにしてください。

この作業の目的は、けっして最高額、最長時間数を目指すものではないことを強調させていただきます。これは競争や表彰のためでなければ、特定クラブからご報告いただいた数字を公に示すことでもありません。目標は、正確な信頼性の高い数字を、自信をもって公共イメージ活動、新会員入会資料、そしてパートナーに示すことです。各クラブで報告いただく数字は、「ロータリーって何?」、「ロータリーって何をするの?」といった質問への回答にも活用できるでしょう。

これらの数字で、ロータリーの価値をより多くの人に示すことができると強く信じています。この作業を土台として、より多くの人びとに、より多くの方法で、今まで以上に世界に変化をもたらすことができるでしょう。


2017年7月

ロータリーに入会する理由は、ロータリアンの数だけあります。もしかしたら、もっと多いかもしれません。しかし私たちはそれぞれ、入会してから生活の中で何かが変わったと感じるからこそ、ロータリーにとどまっているのでしょう。ロータリーを通じて私たちは、「変化をもたらして」います。ロータリーに積極的に参加すればするほど、私たち一人ひとりにも変化がもたらされます。ロータリーは私たちに、もっと良い人間となり、もっと意欲的に、高い目標に向かって努力し、毎日の生活に「超我の奉仕」を取り入れるよう、常に銘記させてくれます。

ロータリークラブやロータリアン一人ひとりが、奉仕を通じてどんな変化をもたらすかは、常に各自が決めることです。私たちはひとつの組織として、理事会が戦略計画の中で決定した3つの戦略的優先項目、すなわち「クラブのサポートと強化」「人道的奉仕の重点化と増加」「ロータリーの公共イメージと認知度の向上」を指針として行動します。

まずクラブのサポートについては、今後1年間にオンラインツールが大幅に改善されます。たとえば、Rotary.orgは一新され、ロータリー財団への補助金申請手続きがシンプルになり、My ROTARYの使い勝手がよくなり、ロータリークラブ・セントラルの構成が変わります。クラブの強化にあたって特に大きな課題は、会員の男女バランスと平均年齢の二つです。今後も強いクラブであり続けるには、地域社会を映し出すような会員構成とし、次世代のために知識豊富なリーダーを育成し続ける必要があります。

長年にわたり、私たちの奉仕活動すべての根幹に関わってきた問題があります。それは、持続可能性です。持続可能な奉仕とは、ロータリーによる直接参加が終わった後も、その活動が長期的に良い影響を与え続けることを意味します。たとえば、ただ井戸を掘っただけで立ち去るのではなく、村人たちが井戸の手入れと修繕をできるようにしなければなりません。病院を建てたなら、ロータリーからの支援がなくても経営を続けられる方法を、きちんと確立しなければなりません。ポリオについて言えば、私たちの活動が目指すのは、ウイルスの単なる抑止ではなく、「撲滅」です。

ポリオ撲滅は、持続可能な奉仕の、いわば究極的なかたちです。その活動資金を支援することで、私たちは全世界の人びとに、長期的どころか永続的な恩恵をもたらすでしょう。この活動が完了するまでは、最優先としていかなければなりません。

112年にわたってロータリーは、計り知れないほど多くの人に多くの方法で変化をもたらしてきました。初代会長ポール・ハリスの掲げた小さなたいまつの火を、世代から世代へと引き継いで「変化をもたらし」ながら、今私たちはここにいるのです。